エアコンクリーニング「通常分解」と「完全分解」どっちがいい?
エアコンクリーニングには大きく分けて「通常分解(分解洗浄)」と「完全分解(完全分解洗浄・オーバーホール)」の2種類があります。それぞれの違いとメリット・デメリットについて解説します。
- 通常分解(分解洗浄)
一般的なエアコンクリーニングで、エアコンを壁に設置したまま、取り外せる範囲の部品を分解して洗浄する方法です。
どこまで分解するか:
- 前面パネル
- フィルター
- ルーバー
- 本体カバー
- (業者によっては)ドレンパンの一部、または高圧洗浄でアプローチできる範囲
メリット: - 費用が安い: 完全分解に比べて作業工程が少ないため、費用を抑えられます。
- 作業時間が短い: 1~2時間半程度で作業が完了することが多く、エアコンが使えない期間が短くて済みます。
- 手軽に依頼できる: 多くのエアコンクリーニング業者が提供している一般的なサービスです。
- ある程度の汚れは除去できる: 定期的にクリーニングしていれば、これで十分な効果が得られます。
デメリット: - 洗い残しがある可能性: エアコンを壁にかけたまま洗浄するため、送風ファンやドレンパンの奥、熱交換器の裏側など、構造上届きにくい部分の汚れやカビを完全に除去できない場合があります。
- 汚れがひどい場合は効果が限定的: 長期間クリーニングしていない、またはカビがひどい場合は、臭いが残ったり、すぐにカビが再発したりする可能性があります。
- 乾燥が不十分になる可能性: その場で乾燥させるため、完全に乾燥しきらずに組み立ててしまうと、内部に水分が残り、カビの繁殖原因になることがあります(プロの業者はしっかり乾燥させます)。
- 完全分解(完全分解洗浄・オーバーホール)
エアコンを壁から取り外し、専門の工場などに持ち帰って、全ての部品を徹底的に分解して洗浄する方法です。一部の業者では、壁にかけたまま可能な限り分解する「準完全分解」のようなサービスもありますが、基本的にはエアコン本体を運搬して行うものを指します。
どこまで分解するか:
- 前面パネル、フィルター、ルーバー、本体カバーはもちろん、
- ドレンパン(結露水を受け止める皿)
- 送風ファン(シロッコファン)
- 熱交換器(アルミフィン)
- モーター
- 電子基板以外のほとんどのパーツ
メリット: - 徹底的な洗浄: 全ての部品をバラバラにして洗浄するため、通常分解では届かない細部の汚れ、カビ、臭いの原因を完全に除去できます。
- エアコンの性能回復・寿命延長: 内部の汚れを徹底的に除去することで、エアコン本来の性能を取り戻し、電気代の削減や故障リスクの低減に繋がります。
- 衛生面での安心感: アレルギー体質の方や小さなお子さんがいる家庭など、より清潔な空気を求める場合に最適です。
- カビの再発防止: カビの根源まで除去できるため、再発しにくい状態になります。
デメリット: - 費用が高い: 通常分解に比べて分解・組み立ての手間が格段にかかるため、費用も数万円と高額になります。
- 作業時間が長い・エアコンが使えない期間がある: エアコンを取り外して持ち帰るため、数日~1週間程度エアコンが使えない期間が発生します。
- 故障のリスク: 分解するパーツが多くなるため、破損のリスクが通常分解より高まります(信頼できる業者を選ぶことが重要です)。
- 対応できる業者が限られる: 高度な技術と設備が必要なため、全ての業者が完全分解に対応しているわけではありません。
どちらを選ぶべきか? - 定期的なメンテナンスや軽度の汚れの場合: 通常分解で十分効果が得られます。
- 長期間クリーニングをしていない、カビや臭いがひどい、徹底的にきれいにしたい、アレルギーが心配な場合: 完全分解がおすすめです。
業者によって「分解」の範囲や呼び方が異なる場合があるので、依頼する際は事前にどこまで分解して洗浄してくれるのかをしっかり確認することが重要です。